sin^n(x), cos^n(x)の積分【ウォリスの公式】
はじめに
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この記事の目的:ウォリスの公式を導出する.
ウォリスの公式
ウォリスの公式
(1) が奇数のとき
(2) が偶数のとき
※とは二重階乗を表す(1つ飛ばしで階乗する)
例)
目標:ウォリスの公式を導出する.
まず順にの場合から考えてみる.
n=1の場合
, について,を考える.
n=2の場合
, について,を考える.
sin^2 x
(半角公式の導出)
(の2倍角公式)…(1)
(三角関数の基本式)…(2)
(1)(2)よりを消去して,
(計算)
cos^2 x
(半角公式の導出)
(の2倍角公式)…(1)
(三角関数の基本式)…(2)
同様に(1)(2)よりを消去して,
(計算)
まとめ(n=2の場合)
n=3の場合
, について,を考える.
sin^3 x
cos^3 x
まとめ(n=3の場合)
n値を一般化する
, を考える.
n=1,2,3の場合は簡単に計算できた.
次はn値を一般化して考えてみる.
sin^n xの積分
指針:部分積分を用いて漸化式を求める.
とおく.
は既知とする.
(以下、導出)
よって以下の漸化式が成立する.
が奇数か偶数かによって判定が異なる.よって偶奇の場合分けをして考える.
(1) =奇数の場合
なので,
より,
(2) =偶数の場合
なので,
より,
cos^n xの積分
と同様に計算すれば、結果は得られるだろう.
しかしもう一度計算しても面白くないため,の結果を利用したい.
指針:を利用する.
とおくと,
sin xとcos xの対称性
目的:との対称性について図で理解する.
以上の結果を図式化して確認してみる.
(左)と(右)
=
(左)と(右)
=
以上の結果が視覚的にも確認できる.
まとめ
ウォリスの公式
(1) が奇数のとき
(2) が偶数のとき
無事に導出することができた.
最後に
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