「マイナス×マイナス=プラス」の理由【複素数平面】
はじめに
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記事の目的:「マイナス×マイナス=プラス」になることを複素数を用いて説明する.
「マイナス×マイナス=プラス」を考える前に,複素数の和積について深く考えます.
その結果を利用して,最後「マイナス×マイナス」を図解する流れです.
複素数の話が長めです.
虚数,複素数
言葉の意味をさらっておく.
・虚数単位:2乗して−1となる架空の数 ex)
複素数の図式化
目的:複素数をどのように表現するか考える.
複素数は架空の数であるため,数直線上に存在しない.
(数直線で表現できるのは実数まで)
複素数の足し算
目標:を図解する.
複素数の足し算はベクトルの足し算であるとわかる.
複素数のかけ算
目標:を図解する.
ぱっと見ただけでは,関係性がわかりにくい.
1. ベクトルの方向
2. ベクトルの大きさ
この2つに注目して考えていく.
1. ベクトルの方向
予想: になっていそう.
2. ベクトルの大きさ
が作るベクトルの大きさ=
が作るベクトルの大きさ=
の作るベクトルの大きさ=
予想:2つのベクトルの大きさをかけたものになりそう.
予想
複素数のかけ算の結果がつくるベクトルについて
1. 方向は2つのベクトルの角度を足したもの
2. 大きさは2つのベクトルの大きさをかけたもの
複素数のかけ算(一般化)
目標:複素数を一般化して予想が正しいか考える.
対象: は実数
1. ベクトルの大きさ
の作るベクトルの大きさ=
の作るベクトルの大きさ=
の作るベクトルの大きさ
大きさは2つのベクトルの大きさをかけたもの
2. ベクトルの方向
について考える。
の作るベクトルの角度(偏角)を とすると、
,
よって,
,
これを使って,
同様に,
に当てはめる.
方向は2つのベクトルの角度を足したもの
まとめ
複素数のかけ算の結果がつくるベクトルについて
1. 大きさは2つのベクトルの大きさをかけ合わせたもの
2. 方向は2つのベクトルの角度を足したもの
予想は当たっていました.
以下この「複素数の掛け算」と「ベクトル」の関係を利用して話を進めます.
iの2乗を考える
目標:の値を図解により求める.
がつくるベクトルは大きさ1角度90°.
よって が作るベクトルは大きさ,方向
したがって
「マイナス×マイナス=プラス」について考える
目標:「マイナス×マイナス」の値を図解により求める.
ex)
がつくるベクトルは大きさ2角度180°
がつくるベクトルは大きさ1角度180°
よって が作るベクトルは,
大きさ、方向
したがって「マイナス×マイナス=プラス」といえる.
「マイナス×マイナス」では180°どうしなので,一周回ってプラスになってしまうわけです.
図解すると直観的に理解できます.
最後に
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