【オイラーの多面体定理】理由を直観的に理解する
はじめに
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記事の目的:オイラーの多面体定理が成り立つ理由を説明する.
「オイラーの多面体定理」とは
オイラーの多面体定理
あらゆる多面体において,次の等式が成立する.
(頂点の数)ー(辺の数)+(面の数)=2
例えば…
立方体(または,直方体)
頂点の数=8つ,辺の数=12つ,面の数=6つなので,
8ー12+6=2
「頂点の数ー辺の数+面の数=2」が成り立つ
また,4面体,6面体,12面体,…など存在しうる立体全てで,この定理が成り立つ.
この記事の目標:「オイラーの多面体定理」が成り立つことを直観的に理解する.
実験
「オイラーの多面体定理」を理解するために,多面体の中でも比較的に簡単な立方体で実験する.
多面体の2次元化
①立方体の一番上の面を取り外す
コップのような形になった.
面の数が1減った.(面が1つ少ないことを覚えておいてください.)
②つぶして2次元として考える
立体で考えると難しいため,①で作ったコップのような形を潰して平面にします.
上図のように,正方形と台形が組み合わさった図形を考えることにします.
潰す前後で,頂点も辺も面も数の関係が変わっていないことがわかります.
よって多面体定理を検証する上で,差し障りはありません.
図形の簡略化
③三角形に切り分ける
②で作った図形を線で区切り,すべて三角形で構成させます.
ここで,線と面の関係について考えてみます.
線を一本付け足す→面は2つに分かれる
なので,
辺が1つ増える→面も1つ増える
多面体定理:(頂点の数)ー(辺の数)+(面の数)=2
辺の数が+1,面の数が+1されても等式は成立する.
(お互い打ち消しあって,全く影響されないことがわかる.)
よって三角形に切り分ける行為は,多面体定理を検証する上で差し障りない.
④辺を消して簡略化する
一番左の一辺を消してみました.
辺が1つ減る→面も一つ減る
よって,
(頂点の数)ー(辺の数)+(面の数)=2
辺の数−1,面の数−1されても,等式に影響はない.
(この行為も差し障りない.)
辺と面の関係を確認しながら,簡略化を進めます.
(左,下,右の辺を消した状態が下図)
一番上の辺も消せそう.
しかし,この辺を消すと斜めの辺が中途半端に残ってしまう.
→2本一気に消してはどうだろうか.
辺が2本消える→面は1つ減る+頂点も1つ消える
頂点の数−1、辺の数−2、面の数−1です.
(頂点の数)ー(辺の数)+(面の数)=2なので,
お互いが打ち消しあって,等式は崩れない.
(この行為は差し障りない.)
辺と面の関係を確認しながら,簡略化を進めます.
1つの三角形だけが残りました.
これ以上,多面体定理に干渉することなく簡略化することはできません.
結果
三角形の場合で,多面体定理を見ていきましょう.
頂点の数=3つ
辺の数=3つ
面の数=1つ
また,一番初めに面を一つ消している(①の行為)ので,今このタイミングで元に戻すことにします.
頂点の数=3つ
辺の数=3つ
面の数=1つ+1つ
(頂点の数)ー(辺の数)+(面の数)=3ー3+2=2
多面体定理どおりになりました.
多面体定理を直観的に理解するための検証でした.
また,今回はわかりやすいように立方体を使いましたが,どの多面体でも同じ原理で実験できます.興味があればどうぞ.
最後に
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