解析接続をほんの少しだけかじる【解析接続】
はじめに
全記事をまとめてあります.
ぜひ下のリンクから確認してください.
この記事の目的:「解析接続」とは何かわかるようになる.
説明の前に
解析接続の説明の前に,この問題について考えてみます.
問題
?
普通に考えれば,
正の無限大に発散することがわかります.
しかし,解析接続の考え方で解くと,
結果が定数で得られます.
この結果が得られる過程から,話を進めていきます.
それでは.
-1/12の謎
目標:の計算結果を理解する.
SaとSb
とを以下のように定義する.
(の交代級数)
を考えると,
…(1)
Sbの値を考える
を以下のように定義する.
をずらして以下のように計算する.
…(2)
も同様にずらして計算する.
…(3)
式(2)(3)より,
…(4)
Saの値を求める
式(1)
式(4)
(1),(4)より,
が得られた.
どうしてこうなるのか
ふつうに考えればは正の無限大に発散する.
しかし以上の計算ではの値に定まった.
どこに原因があったのだろうか.
原因:
わかりやすいポイントはこの式にある.
本来,値は振動するため収束しないはずだが,に収束する結果が得られている.
等比数列の無限和
目的: について考える.
初項, 公比 の等比数列の無限和と捉えることにする.
ここで等比数列の無限和についてざっとまとめる.
等比級数のとき、その無限和は,
・のとき:収束しない
・のとき:
はのときにしか保証されていない.
つまり,のときは使うことができない式である.
今回の数列は,であるため,は使えない.
しかし今回は試しに使ってみることにする.
と同じ結果が得られた.
つまり,数列は本来収束しないが,もし収束すると仮定して計算したところ,
その収束値はになるらしい.
結論
になる原因をまとめる.
の計算について,定義域にのみ成立する式,に対して定義域を勝手に拡張して計算したため.
のとき、
↓(勝手に拡張)
のとき、
↓
が得られた.
↓
解析接続とは
目標:解析接続をイメージでつかむ.
ようやく解析接続の話です.
解析接続:定義域の限定された関数について,その定義域を拡張して考えること.
本来,定義域を勝手に拡張することはできないが,もし拡張できたらどうなるかを考える.
(, )
定義域の拡張
(, )
グラフが伸びたことが確認できます.
言い方を変えれば,解析接続とは「途中で切れているグラフの道筋を予想して伸ばしてあげる」こととも言えるかもしれません.
最後に
全記事をまとめてあります.
ぜひ下のリンクから確認してください.