曲率半径を計算する式を考える【曲率】
はじめに
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この記事の目的:「曲率半径」を理解する.
曲率半径の意味
意味:曲線の微小な一部分を円弧とみなしたときその円弧の半径
曲線上の点から曲線に沿ってだけ移動した点をとする.部分を円弧とみなし,その円弧の中心を点,角をとする.
このとき,
円の半径 と表すことができる.
ここで極限をとると,
曲率半径
曲率半径の正負
式を見ればわかるが,曲率半径は正負どちらの値もとり得る.
半径が負値とは直観に反するが,しっかりと意味を持つ.
正負が持つ意味:
正負によって曲がる方向(の方向)を区別できる.
・(正値):半時計周りの向きに曲がる
・(負値):時計周りの向きに曲がる
曲率半径の大小
曲率半径が大きいほど,曲がりが緩やかである.
曲率半径が小さいほど,曲がりは急である.
曲率半径の計算方法
課題:,を具体化する.
点から伸びる接線と軸がなす角をとすると,
点から伸びる接線と軸がなす角はとなる.
よって,は接線の傾きの増加分に対応するといえる.
陽関数表示 の場合
対象: と表される曲線
点から伸びる接線の傾きは,
なので,
(両辺同時に変形しています.)
…(2)
式(1)(2)より,
媒介変数(パラメータ)表示 の場合
対象: で表される曲線
点から伸びる接線の傾きは,
(両辺同時に変形しています.)
…(2)
(1),(2)より,
曲率半径の計算
例題1
のにおける曲率半径を求めよ.
より,
,なので,
もっと具体的に, を考える.
例題2
, で表される曲線の曲率半径を求めよ.
より,
,,,なので,
もっと具体的に のときを考える.
曲率
意味:曲線上のある点における曲がり具合を表す指標
曲率半径の大小は以下のことを表していた.
曲率半径が大きいほど,曲がりが緩やか.
曲率半径が小さいほど,曲がりは急.
しかしこの関係はあまり直観的ではない.
「大きければ曲がりが急」「小さければ曲がりが緩やか」
このほうが計算値と曲がり具合の関係性が直観的に理解できる.
よって曲率半径の逆数をとることにした.これに「曲率」と名前をつけた.
曲率
まとめ
・曲率半径
1. で表記できる曲線について
2. パラメータ表示()で表記できる曲線について
・曲率:曲がり具合を示す指標
最後に
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